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甲賀幻妖斎

  • Author:甲賀幻妖斎
  • 工学部出身ですが、社会に出ると技術系の知識よりも
    社会科学の知識が必要とされることを痛感。
    組織と人間、それを取り巻く社会の関係について考えています。
    ”Top Page” に戻る。

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望山馳死馬。
社会、組織、人間のかかわりについて考えています。 主に、読んだ本や映画のメモです。
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【読書メモ】桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌
”桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌”

オーストリアの現職大統領が元ナチス党員であったことが暴露され、
ズービン・メーターがウィーン・フィルによるオペラ座舞踏会の指揮の依頼をキャンセルした件で、

「原則を持つということは、同時に犠牲にしなくてはいけないこともあるんです。個人的にはオペラボウル(舞踏会)のオープニングを指揮できるということは、とても名誉なことでぜひともやりたいことなんです。しかし、やっぱり納得はできません。ワルトハイム大統領の前では演奏したくなかったんです。……これはけっして納得できないことでした」(p250)
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【読書メモ】桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌
”桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌”

バーンスタインの言葉。
「ここでは祈るしかない。いま原爆資料館に行ってきたところだ。たしかにすさまじい。私はこれまで何度も恐ろしい夢を見た。原爆の夢でうなされた。しかしなんといっても残念なのは、40年間に状況が悪いほうにだけ向かっていることだ。権力者たちは、より強力な核爆弾を作りつづけている。人間が人間を効果的に殺せるように、すでに人類を抹殺する方法がいくつもあるというのに、もっとすごい方法を求めようとしている。決定的な死をむさぼるように…。さあ! こんなことを考えながらベートーヴェンを演奏しよう!」(p224)

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【読書メモ】桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌
”桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌”

自由の女神に刻まれたエマ・ラザラスの詩の一節

「来たれわがもとに、疲れたる者よ貧しき者よ 
もっと自由を叫び、捕えられたる多くの群れ集う人びとよ
古き土地の整然たる秩序から、はじき出され追い出されたる者よ
家焼かれ、戦乱に逃げまどう者をこそ、送りとどけよ、わがもとに
私は黄金の扉の傍で、いつまでも、ランプをかかげ、あなたを待つ者です」(p214-p215)

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【読書中】桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌 (172/267)
”桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌”

第3章 狂気と指揮棒 読了。

カラヤンは、フルトヴェングラーがいなければ、
ナチスがいなければ、そして権力にすりよる姿勢がなければ、
今の地位に昇りつめることがなかった。
政治姿勢と才能は切り離されるべきか、
難しい問題ですね。

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【読書中】桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌 (156/267)
”桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌”

 あの時もそうだったのです-こう言われました。”そんなことはできません。あなたは音楽監督の地位にある。そのためには入党しなければならないのです”。それに、求めていたものをついに手に入れられるというとが、私にとって大きな意味をもっていました。-何しろ、アーヘンは大きなオーケストラやすばらしい合唱団、中規模の劇場があったのです。そこで私はしたいことができたのです。それを手に入れるためには殺人さえ犯したかも知れません」(p156)

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【読書中】桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌 (149/267)
”桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌”

  同じ音楽家であるブルーノ・ワルターが職を追放されたとき、フルトヴェングラーがとった態度はすでに述べたとおりである。にもかかわらず、4年間カラヤンの音楽的活動の基礎を築き上げたウルム市立歌劇場で、その同僚シュールマンがワルターと同じ状況下におかれ劇場を去っていく時、カラヤンがとった行為は、権力への服従だったのである。(p149)

テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

【読書中】桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌(147/267)
”桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌”

 1938年9月30日、カラヤンはついにベートーヴェンのオペラ「フィデリオ」で、ベルリン国立歌劇場にデビューし、翌月に上演した「トリスタン」でも大成功をおさめた。これは明らかに、フルトヴェングラーを刺激しようと、ナチスが仕組んだものであった。というのは、そのデビュー公演が、実際には半数の客しか入らなかったにもかかわらず、演奏会批評の禁止令を破り、新聞で「カラヤンの奇蹟」と評し、熱狂的な絶賛をしたからである。
 このようにナチスがカラヤンを高く評価し、やがてフルトヴェングラ-以上に重要視していく裏には、忘れてはならない事実があった。カラヤンはヒトラ-政権樹立と、ほぼ時を同じくして、正式にナチス党に入党していたことである。いわば、フルトヴェングラーが、ナチスという傘の下にいることに苦悩していたのに対し、カラヤンは完全にその傘の一本の骨となっていたのである。(p147)

今聴いている音楽
”マーラー:交響曲第5番”

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【読書中】桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌 (98/267)
”桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌”

フルトヴェングラーはナチス体制のなかに居残りながらも、反ナチス音楽家として最後まで抵抗し続けたのに対し、カラヤンはこの祝賀公演から17日後の4月8日、正式にナチスへ入党し、あらゆる記念行事の演奏会で指揮をとっていく。(p98)

吃驚した。知らなかったよ。
戦後、どんな気持ちでカラヤンはマーラーを演奏したんでしょうか?
たぶん何も思わなかったんだろうなあ。

今聴いている音楽
”マーラー:交響曲第5番”

テーマ:読書メモ - ジャンル:本・雑誌

【読書中】桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌 (92/267)
”桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌”

第2章 暗黒への幕開け 読了。

 ヒトラーの言葉、
「国家社会主義の思想を把握したいと思うものは、すべからくまず第一にワーグナーを知らなくてはならない!」(p83)
 ”なんでやねん!”と思いましたが、ワーグナーの思想を知って吃驚です。

「ゲルマン文化の崩壊は外部から闖入する腐敗分子を徹底的に追放することによって防ぐことができる。…民族は、妨げとなる意識の鎖をひきちぎらなければならないのである」(p86)

これ、ヒトラーの言葉じゃなくワーグナーです。
ワーグナー結構好きなんですけどねえ。

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【読書中】桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌 (58/267)
”桜井 健二, マーラーとヒトラー―生の歌 死の歌”

マーラーの死によせたシェーンベルグの言葉、
「天才は行く手を照らし、われわれはそのあとにつづこうと努力します。そうしなければならないのです。われわれは、ともになさねばなりません。このことを、あらゆる偉大な人々の作品と同様、マーラーの作品もまたわれわれに告げているように思われます。……偉大な人々のだれかが語り終えると、一瞬あたりは静まりかえるのがつねです。われわれは聞き耳をたてます。この未来についてマーラーが告げることができたのはあそこ(『第九交響曲』)まででした。もっと語ろうとしたとき、彼は神に召されたのです。その証拠に、あたりはまだ完全に静まるようすがありません。戦いと喧騒はこれから先も続くでしょう」(p58)

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